宇宙の森羅万象は同じ周期の法則にあり、どんな運命にもひるまず、どんな文化によっても変えることはできない。アンディが亡くなった翌年、一周忌の法要がとり行われた。イローナや親戚・友人が再びアンディの元に集まり、深い悲しみを感じながらも調和と平和の世界に心身を委ね、瞑想にふけった。
突然、風が吹いた。風は敷地の上を優しく撫でていたがやがて強くなり、あたりの雰囲気を変えた。先程ニュースで報じられていた“台風”がその姿を現し始めた。『台風』── 極真館時代、アンディは『台風』と呼ばれていた。まさにこの日・この場所に台風はやって来た。イローナはこれを単なる偶然とは思えなかった。
「アンディが別れの挨拶に来てるのね」
人間の進化・成長を理解するうえで“復活”はカギである。人生における“終わり”は、その強さを根底にもつ“始まり”であり、新しい発想はそうして生まれ、実現する。
その生涯において、アンディは常に信念に従って行動し、夢を現実のものにした。今、アンディの魂は肉体を離れ、さらに高いステージを目指して漕ぎ出している。空手発祥の地、沖縄の人々は「霊魂は生命の循環を終えると、最終的には神となり、彼岸に先立つ他の魂と共に人間に恵みと力を与える」と信じているそうだ。“命の終わり”は最終的な“終わり”ではなく、母なる自然と宇宙へ統一される道の一部なのである。そして自然自体もまた、絶え間なく新しくなり変化する。
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